京都大学艦これ同好会 会員の雑記ブログ

京都大学艦これ同好会は、艦これを通じてオタクとの交流を深める緩いコミュニティです。普段はラーメンを食べています。

小説

冬を送り、春を迎え

前の記事 https://kukancolle.hatenablog.com/entry/2021/05/11/190000kukancolle.hatenablog.com マースレニツァは、16世紀以来の、複数日にわたって続く、非キリスト教徒の古代スラヴ人の祭日を起源とする祭日であり、冬を見送り春の農作業に取りかかるこ…

「東方アレンジ楽曲紹介 FELT編」だった何か

前の記事 kukancolle.hatenablog.com ————苦く 甘い 儚い記憶 幾度 そこへ辿り戻っても———— 「ふう、買い物をしていたらすっかり遅くなってしまったわね」 すでに日は沈み月が東の空に明るく輝くなかを私はゆっくりと帰路についています。 「いい牛肉が手に…

Mia sorella

前の記事 kukancolle.hatenablog.com 「ただいまー」 バタン、と玄関のドアが閉まる音が、廊下を通じてリビングにまで響く。椅子に座った女性が、手元の小説から顔を上げる。横目で時計を見ると、時刻は午後8時を少し過ぎていた。 「Zara姉さまぁ~、今日も…

noctchill

前の記事 kukancolle.hatenablog.com 当記事はバンダイナムコエンターテインメントの『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の二次創作小説になっています。原作を知らなくても読めるように配慮したつもりなので、ぜひ読んでみてください。そして、あなた…

奇縁良縁、風の初め

前の記事 kukancolle.hatenablog.com 二人して慰霊碑に手を合わせ、黙祷する。予想通り、奇妙な感情が芽生えて来る。 彼らの筆舌に尽くし難く、ここに記すのも烏滸がましい凄絶な体験が無ければ、私はここにいなかったろう。しかし、これはあの戦いが多くの…

イタリア眼鏡は夜目が利く

一 廊下越しに足音が聞こえる。ぱたぱた、ぺたぺた、そしてカツ、カツ。帰って来たな、と彼は思う。「夜更かししないで、早く寝るのよ。あなたたち、明日も遠征でしょう」 はーい、と二人分の声。かさ(・・)をかけられてもまばゆい、南の太陽。宵の静けさ…

払暁

クライ。クライ。 真っ暗な、夜陰の、暗がりの中で呟く。 ダアレ? ダアレ? 人影が見える。問いかける声があった。答える声はない。 アナタ。アナタ。 だが、お願いだからそうあってくれという、強い強い願望はあった。 味方、味方……? 光が差す。夜が明け…

逃避

......提督。おはようございます。 はい、いい朝......です。今日は......気分、如何ですか。 ......そうですか。それは良かったわ。最近は、ずっと元気そうだもの......石垣、嬉しいです。 そうですね、お昼食べたら今日はお買い物に行きましょう、提督。少…

安寧

......提督。おはようございます。 昨晩は......その、眠れ、ましたか? やっぱり、眠れませんでしたか? あ、あの、責めてるわけじゃ、ないですから......えと、すみません。 提督、その、謝らないでください。貴方は悪くない、のですから。お願い、ですか…

表出

「こんにちは、曙ちゃん」 自分を呼ぶ声がして、あたしは振り向く。『あれ、潮? 珍しいわね、こんなところに来るなんて』 そこにいたのは、綾波型駆逐艦10番艦、潮。あたしの優秀な妹だった。「今後のことが決まったから、報告しに来たんだ」 そう言って、…

蜃恋

私は指輪をもらえなかった。 私、村雨が着任したのは鎮守府の黎明期で、まだ艦娘が10人もいない頃だった。とにかく初めは大変だった。何せ人手がまるで足りない。出撃に演習に遠征と働き詰めで休む暇も殆ど無かった。けれど今思い返すと慌ただしいこの頃が一…

暁に響く

私はグラスを傾け、淡い金色の酒を舌の上で転がしてみる。私が注文したのは、この『Bar ファンタジア』という店では人気商品である『沖田総司』というカクテルで、スピリタスがベースのものらしい。私はその名前を見てなんとなく注文したのだが、どうやら私…