京都大学艦これ同好会 会員の雑記ブログ

京都大学艦これ同好会は、艦これを通じてオタクとの交流を深める緩いコミュニティです。普段はラーメンを食べています。

あなたが読むべき百合漫画3選

どうも、感受性豊かです。これから百合漫画を紹介します。なぜなら私は百合が好きだからです。

1. マイ・ブロークン・マリコ (全1巻)

 

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単行本発売時にかなり話題になったので、知っている方もいるかもしれません。
友人の自殺を期に旅に出る主人公の話なのですが、回想で語られる「友人」の迸る程のイノセンスとそれに表裏一体の脆さはとても生々しく、鬼気迫るものがあります。
ここまで徹底的に生活の悲惨さを描いた作品はしばしば露悪的なあざとさ、あるいは物語上の停滞を見せてしまうものですが、この漫画についてはそんなことは全くなく、あくまで物語は一種の軽やかさを持って展開してゆきます。しかしまあ、それはこの漫画の特質というよりはむしろ、個人が世界に否応なく押し流される様を映したものなのかもしれません。
この漫画のラストシーンはとても印象的ですが、特に「形式上、ラストシーンに到達するために主人公の旅の過程は不要である」という点が気に入っています。故人に「救い」はなく生者にそれを与えることもできないけれど、生者が勝手に救われることはあり、それが客観的に見れば錯覚と変わらないなどということは主観的人生においてどうでも良いことなのですね。これは所謂「祈り」ともいえます。オタク、「祈り」好きがちですよね。僕も好きです。オタクなので。

2. 星明かりグラフィクス (全3巻)

 

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これを百合とするかは宗派が分かれそうですが、僕は断じて百合だと思います。美大を舞台にコミュ障天才の吉持とコミュ強凡才の園部がタッグを組んで大暴れするお話です。
「創作の快感」みたいなテーマを持った漫画なので、最近話題の「映像研には手を出すな!」とかが好きなら刺さると思います。ただ、あちらが「創作最高!最強の世界を作る!うおお」みたいな感じなのに対して、星明かりグラフィクスは少し現実寄りです。その違いは「映像研」が高校、この漫画が大学を舞台としていることが大きいでしょう。モラトリアムの終わりが目に見える形で迫っているからこそ、創作の快感への切実さ、必死さが溢れておりとても素敵です。こういう漫画はたいてい「天才」の描写のカタルシスが大きな魅力であり、この漫画にも吉持を始めとした個性豊かな天才達が登場するのですが、個人的にはそれを凌ぐ程魅力的な「凡人」の描写が素晴らしいと感じます。特に3巻終盤の園部と「小川くん」の対話は演出も含め完璧に最高です。
3巻で(打ち切られ)完結してしまったことが本当に惜しい漫画ですが、内容はしっかりまとまっているので是非手に取ってみて下さい。あと単行本の装丁がカッコいいです。僕が書店で「背表紙買い」した唯一の漫画となっています。

3. 最悪にも程がある (最新3巻、同人誌)

 

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同人誌です。同人小説家のやばい女とそのファンのやばい女、それを取り巻くやばい女達の話です。やばい女の百合が好きなら迷わず買いだと思います。
「星明かり」と同様創作の苦楽をテーマの1つとしているのでそういうのが好きな人にもおすすめですが、それ以上に登場人物一人一人の凄まじい存在感が魅力です。登場人物のやばい女達の全員がこの作品のタイトルである「最悪にも程がある」というセリフを言う/言われるに値する拗れ、行き詰まりを抱えており、そんな人間達がそれぞれの拠り所に縋りつきながら言葉を紡ぐ様が読んでいて本当に気持ち良く、読後に心地好い焦燥感を残します。
さて、この漫画は1話が作者のpixivで無料公開されています。タイトルでGoogle検索すればヒットするので、今すぐお使いのブラウザの新しいタブを開き、検索窓に「最悪にも程がある」と打ち込んで下さい。続きが気になればメロンブックス通販で買いましょう。
よろしくお願いします。