こんばんは。えりある(@arielkukls)です。
NFリレーブログに大遅刻しました。年内に間に合ってよかった。
皆さん、バード、使いましたか?
えりあるは言語取得のために使いました。
今回の記事では、前編に引き続き、えりあるがTRPG「ソード・ワールド 2.5」(以降、SW2.5)でバードのキャラを組むときに考えていることを書いていこうと思います。
前編はこちら↓
後編である今回は、実際にキャラを作成するときの思考回路を共有しようと思います。キャラを作成するときには色々な道順があると思いますが、今回は特に「バードを採用しよう」と思ったときに、どんなキャラが考えられるか、その場合、どんな種族・サブ技能・戦闘イメージによって組み立てるか、などを書いていきます。
前編に引き続き、専門用語マシマシ略語マシ思想強めです。お手元にルールブックをご用意いただくか、知らない攻略記事を読んでいるつもりでご覧ください。
1.前編のおさらい
改めて、前編で挙げたバードの特徴を確認しましょう。
バードの強みは何といってもコスパの良さにあります。MPを消費せず、使用にリソースを使わず、経験点もBテーブル縦伸ばしで完結する。そのため、浮いたリソースをどこに回すかを考えることが大事になります。
バードの弱みは、取り回しの悪さと出力の低さです。運用には主動作を要求し、戦闘特技の要求も多く、それでいてバフ量は控えめ、火力も2ラウンド目からしか出すことが出来ません。それをどう受け入れるかが肝になってきます。
2.構築してみよう
では、実際にキャラを組むことを考えていきましょう。目安として、5レベル以上の、人族5人パーティ位を想定します。先制や魔物知識、各能力の達成値の要求水準などは卓環境によってもちろん違うかとは思いますが、完全にえりあるの感覚で記載させていただきます。
なお念のためですが、これらの内容は「えりあるがバード技能を活用しようと思ったときに組み合わせたい構築」です。キャラビルドは最適化を求めるものではありませんので、何かを否定するものではありません。歌は自由!
①順張りを考える
まず第一に、「真っ当にバードを正面から作ったらどうなるか」を考えていきます。
優先して取得したいのは【モラル】【アトリビュート】【トランス】等の無条件必中バフになります。確実に効果が発揮されますからね。そこに加えて任意の終律を差し込むのがよいでしょう。戦闘が長引くとマジですることがなくなるので、最悪のケースでも「貢献してる感」を失わないために【春の強風】か【冬の寒風】は取得しておくことを推奨します。
サブ技能には【鼓咆:勇壮なる軍歌】を備えるウォーリーダーを選択するのが有力候補となるでしょう。バフ効果を味方に限定できるので、相手のサポートをしなくてもよくなります。とどめのシーンであれば相手のバフを気にせず出力を上げられるので、【怒涛の攻陣Ⅱ】の使用は視野に入れたく、レベル4までに取っておくと良いです。
取得特技については、前編でも話した通り《特殊楽器習熟》と《ハーモニー》は強い理由がなければ取得したい、強さを1段階引き上げる力を持つ特技になります。その他は任意でよいでしょう。
バードを使うからには精神力が高い種族を選択したいですね。人族で精神力に秀でているのは、グラスランナーを筆頭として、エルフ・ドワーフ・フロウライト等で、初期作成次点で精神力24が狙えます。次点でダークドワーフ・ティエンス・ナイトメア等の前衛適正種と、タビット・メリア・ハイマンなどの魔法適正種が視野に入ります。サブ技能との相性を考えると、上記のメインサブを取るなら、MPが不要で、ウォーリーダー先制を狙いやすいよう敏捷か知力にも適正のある種族が望ましく、やはりグラスランナーに最適性がある一方、ドワーフは噛み合いを理由に一歩遅れを取る形となるでしょう。
②逆張りその1、抵抗について
では、今作ったひな型を基に、逆張りをしていきましょうか。
まず、「抵抗必中の呪歌が使いやすい」を疑うために、抵抗消滅の呪歌について考えましょう。そもそも抵抗消滅の呪歌には大きく4つのパターンがあります。「能動側デバフ」「受動側デバフ」「両面デバフ」「その他」です。
「能動側デバフ」は能動的な判定、例えば命中や魔法行使にデバフをかけることが出来ます。具体的には【アンビエント】や【ノイズ】です。また【コーラス】【ダル】も基本的に能動のタイミングでしか効果を発揮しないのでこれに該当します。これらの明確な利点は「1ラウンド目終了時に発動して2ラウンド目開始時に解除すれば、制御の必要がない」というところにあります。これにより、ウォーリーダー技能と《ハーモニー》の重要性が相対的に低下します。
「受動側デバフ」は回避や抵抗にデバフをかけることが出来ます。具体的には【バラード】や【ブレイク】です。こちらは逆に1ラウンド目の味方より先に使いたいので、【勇壮なる軍歌】への依存度が高まります。
「両面デバフ」は文字通り、能動と受動の両面にかかるデバフです。行為判定デバフなどが該当します。これはどちらの手番でも味方に有利に働かせるため、【勇壮なる軍歌】がほぼ必須になるでしょう。ただし【レクイエム】は例外です。
「その他」は特殊な効果を発揮させる呪歌で、【チャーミング】【クラップ】などが該当します。チャーミングはともかく、こういうおかしな呪歌を通そうと思い始めたら、もう個別に話をした方が早いです。
また全てに言えることとして、相手に効果を及ぼさないと始まらないので、魔動機や魔法生物対策として<フィスタロッサム>への依存度が高まり②逆張りその1、抵抗について
魔動機対策として<フィスタロッサム>への依存度が高まり、そうするとスタッフを持ちながら片手が空くので、魔法職への適性が飛躍的に上昇します。特に低レベルから補助動作で支援魔法を使えるドルイドは頭一つ抜けた相性を誇り、燃費の悪さは過剰に盛った精神力によるMPで誤魔化すことが出来ます。MPの観点でも、フロウライトとは相性がバッチリと言えるでしょう。フロウライトにバードの生まれ表ないですけどね。また<アビスナイフ>の装備を要求される代わりに補助動作回復などが可能なアビスゲイザーとの相性も良好です。
抵抗を通すために能力値・達成値を高く要求されるため、全体的に必中バフのバードより要求値は厳しいです。そのため特技については、《スキルフルプレイ》の価値が1段階上がり、《シュアパフォーマー》の価値が2段階下がります。
総じて、必中型とは異なる角度からの運用が要求されるケースが多い一方、その制約をコントロールすることで逆に自由度が広がることもある、面白い構築になると言えるでしょう。
③逆張りその2、サブ技能について
サブ技能についても逆張りしてみましょう。補助動作で完結し手の自由を要求しない、ウォーリーダー・アルケミスト・ジオマンサー等の相性がいいのは前編でも述べた通りです。また、探索技能についても無難に取りやすいですね。
前衛技能はどうでしょうか。バードには前衛をしてくださいと言わんばかりの武器楽器がいくつか存在します。使いたいですよね。武器の必筋が9ですので、ファイターやバトルダンサーであれば筋力9、フェンサーであれば筋力18が要求されます。ただしバトルダンサーはシンバルシールドが持てないため、折角なら《両手利き》を取得したいです。そのほか、ヴァグランツ特技が取得できるなら《乱撃》が非常に有用です。命中の成否に応じて楽素が溜まるので、対象が増えれば楽素も増えるはずです。楽素を溜めたら終律に切り替え、魔法火力をぶつけてあげましょう。敵後衛も狙うことができます。
ただし、欠点でも述べましたが、前衛バードをするには「まずは一曲」が必要不可欠です。《足さばき》の取得がシンプルではありますが、初動は後衛になることを妥協する、減ることまで見込んで収支プラスになるよう頑張る、ほかにはライダーの【姿勢堅持】で突っ込むなどの選択肢もあります。
種族候補はかなり様変わりします。というのは、器用(命中)敏捷(回避)筋力(装備)生命(HP)がどれもそれなりに重要になってくるからです。A技能であれば筋力を妥協できるため、エルフは依然優秀な選択肢ですが、それでもグラスランナーには若干荷が重いでしょう。フェンサーであれば筋力要求はさらに上がり、そうなるとドワーフやナイトメア等の適性が上がっていきます。人間であればどちらにも調整できそうです。
そして、取得特技についてです。この構築では《特殊楽器習熟》か《武器習熟A》が必須となりますが、その他に《シュアパフォーマー》が光ります。専業バードと比べて精神力を伸ばしづらく達成値が控えめになることと、武器楽器による演奏判定へのペナルティを踏み倒すことが出来、抜群の相性を誇ります。逆にこれ以上のバード関連特技は取りたくとも取得が難しくなりそうですが、終律火力に頼りたい都合《終律増強》を取得できるかどうかは念頭に置きたいですね。
④逆張りその3、特技について
特技についてはここまででも構築に合わせた新提案をいくつか用意してきました。特に《ハーモニー》を切る、《シュアパフォーマー》《スキルフルプレイ》の積極採用などは構築ならではの要素です。
ではいっそ「特技を切る」という選択肢、つまりメイン技能に特技枠を譲り、無宣言で可能な範囲で頑張るというのはどうでしょうか。
例えば、ポーション投擲レンジャー。コンセプト時点で《ターゲッティング》《スローイング》を要求し、可能であれば《両手利き》《双撃》などに発展させたいですね。サブ技能はどうしましょう。普通に考えればシューターで投擲を共有することが筆頭に上がるでしょう。しかしシューターは命中を要求し、例えば器用の低いメリアには荷が重いです。そこで!3~5レベルで低めにバードを刺しておきます。すると1ラウンド目に確実に全体バフを撒けます。しかも立ち位置に依存しません。《魔法拡大/数》を必要としない範囲バフはそう多くなく、基本的にはプリーストと選択ですが、プリーストは防御寄りの能力なのに対してバードは攻めにも使えます。 しかも戦闘が終わったらMP回復まで出来ます!
というのは極端な話ですが、範囲バフを無条件に撒けるというのがコスパ面で破格ではあり、「メインでやりたいことが2ラウンド目以降にある」「補助動作技能をメインで縦伸ばししたい(主にジオマンサー)」などの理由があれば、サブレベルでバードを取得するのも視野に入ります。この時は《特殊楽器習熟》は余裕があれば程度でよく、むしろ《シュアパフォーマー》+火力終律を刺しておく方が困った的のダメ押しに使えていい時もあるでしょう。もちろん何もなくてもいいです。
種族についても、バードのために検討をする必要はありません。やりたいキャラにしれっと差し込んでおけばいいのです。そのキャラに歌うま属性も付与できてお得です。焚火を囲んで歌いましょう。あなたが主役です。
⑤逆張りその4、種族について
再三申し上げている通りバードは精神力だけあれば使えるのですが、別に精神力がなくても使えます。バードをするのに精神力以外を上げる理由があまりないだけです。
逆に精神力の「低さ」を武器にすることも可能です。具体的にはルーンフォーク、ソレイユ、スプリガンが該当します。そう、「筋力平準」ですね。
<平準の指輪>は、判定後に破壊することで最も低い能力値を最も高い能力値の値として再計算することが出来るアイテムです。筋力は練技【ジャイアントアーム】で+12出来ることから盛りやすく、さらに上記3種族(スプリガンは巨人化後)は種族的に高めの筋力を用意できることから、最低を精神、最高を筋力とすることで、戦闘中に一度だけ爆発的な出力を発揮することが可能となります。精神力に該当する指輪が存在しないことから命中(器用)や魔法行使(知力)での平準破壊と比べても平準である意義が大きいです。
バードで瞬間的に達成値を出したい瞬間は主に二つ考えられます。ひとつはデバフを撒く時、もう一つは終律を当てる時です。前者で出来ることは、例えば初手【ブレイク】【ダル】を通すことで相手を妨害して、2R以降は得た楽素を使って《シュアパフォーマー》で確実にダメージを与えることや、楽素を十分に溜めてから【ララバイ】を貫通させて実質ターンスキップを狙うことが考えられます。後者はよりシンプルに、序盤は必中呪歌を歌いながら楽素が溜まったら抵抗を突破して大打撃を与えることが出来るでしょう。いずれにしても、バードは構築レベルで「抵抗を貫通する必要があるのが一度きり」という状況を作りやすく、平準の難しさをある程度緩和してくれています。
種族については一長一短ですが、数値差的にはソレイユが最も使いやすく高出力となるでしょう(若干知力を育ててあげる必要があります)。スプリガンは数値こそ超優秀ですが、巨人化が前提になるため手番管理が難しいです。巨人化ターンはかばうシンバルか……?
特技については、達成値が要求される都合、《スキルフルプレイ》の優先度が上がります。その他は通常通り、必要に応じて取捨選択です。先述したスプリガンであれば《かばう》《特殊楽器習熟or防具習熟A/盾》《ガーディアン》《スキルフルプレイ》とかになりますかね。
トリッキーで楽しい構築ですが、懸念点が3つあります。ひとつは通常時の巧奏値達成が困難なことで、13の達成に苦しむことになります。2つめは精神を最低にしていると普通に相手の魔法で死ぬことです。3つ目は上にも関連して、筋力を伸ばすこと自体が精神を伸ばすことと比較して別に嬉しくないということです。しかし、こういう偏ったビルドを組むときは、ある程度諦めが肝心です。
ちなみに、精神力が並の種族でのバードについても、やりたければ全然できます。必中呪歌+シュア終律だったら数値いらないので。サブ技能の部分で種族の良さを出してあげられると嬉しいですね。
3.まとめ
以上、バードの構築について色々考えてきました。いかがでしたか?
ソドワのバードはルアン・メェイのように「入れておいたら強い」という感じではありません。工夫や趣向を凝らし、頭を悩ませる必要があります。時には全然刺さらない時もあります。けれど、噛み合ったときの唯一無二性は癖になること間違いなしです。
癖が強く難しいバードですが、その分、様々な可能性を秘めています。ぜひ、一瞬でも構いませんので、向き合ってみてはどうでしょうか。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。えりある(@arielkukls)でした。