こんにちは、占冠です。
推し活してますか?
私はしていません。していないのでよく分からないのですが、前任者が推し活と称して目も当てられない蛮行をしたため、もう少し文明的な推し活をしてみたいと思います。
推し活ってなんだい!

推し活が何かわからないと話は始まりません。さもないと上のようになんとなくでぬいを購入して、どこに行くにもぶら下げて、黒ずんで変な臭いがしてきて終わってしまいます。
これではただのまねっこ、おままごとです。意義を考えないまま行動するべきではありません。
私は上の失敗から学び、まずは語の定義について調べることにしました。

コトバンクを調べたところ、なんと共同通信と小学館の2点しか出てきません。広辞苑にもニッポニカにも全漢和にも載っていません。「推し活」って最近の造語なんですね。最近では政治運動にも引用されるそうですよ。保守主義者ならポッと出の言葉を使うな
ところで、解説文いわく「キャラクターを応援する活動」らしいのですが、何が一番の応援になるでしょうか。グッズを買う事でしょうか、なるほどIPビジネスとしては良い人気指標となる上に、配信に投げ銭をするよりは直接的な応援になります。
しかし、このような消費行動は諸刃の剣です。理由は2つあって、
1. 他人と比較しやすい
金額という指標は単純で、優劣をつけやすいです。プライドが高いと自己破産します。
2. 儲かるのはあくまで企業
どこまで行ってもキャラクターへの直接投資ではありません。それを決めるのは企業です。必ずしも"推し"は報われません。

推し活を近代化しよう
特に2番目の点は問題です。では、キャラクターへの応援(=推し活)の純度を高めるにはどのような行動が良いのか――これはキャラクターの理解を深めることではないでしょうか。
「彼女はここにこのような形で存在する!」
人もキャラクターも忘れられたり歪められたら終わりです。キャラクターをより理解してその実存を推してあげること。これは企業あるいは貨幣やぬいぐるみといった媒体を介することなく、ただ推しそのものに向き合うという、より純度の高い応援です。
偶像崇拝をやめて、実存こそを推したとき、ようやく人文の時代が訪れます。そう──近代です。
マニフェスト・デスティニー
ぬいぐるみにトマトジュースをぶっ刺してその股から飲んだ男がいます。そう、IKSG, U.氏ですね。
しかしその儀式が、「推し」に何の利益を与えるのでしょう。ぬいぐるみはただIKSG, U.氏にトマトジュースを与える道具(=本質)となっただけで、後世に残るのは推しの経血を飲みたい成人男性という実存ばかりです。彼はそれを「推し活」だと言います。
はっきり言って未開です。お前の実存を推してどうする、キャラクターについては何も分からないじゃないか。推す対象をはき違えた、まるでおぞましい自己顕示欲です。
文明人のする推し活というものを教えてやらねばなりません。
例えばここにVtuberの配信があります。野蛮人は二つの音の出る絵を拝みますが、文明化された推し活では二人のキャラクターを知ろうとします。
絵畜生という偶像を、Vtuberという実存に昇華させるその作業こそが読解です。
この配信を題材にして、本当の推し活というものをしてみようと思います。
13:05~
(沙花叉からシオンにプレゼントを贈るなら)沙花叉「寝るときに使ってほしいなって思ってて。ベッド」
シオン「ベッドそのもの? なんで?」
沙花叉「1つはたくさん寝てほしいから。2つ目はぁ~(・・延々中略・・)沙花叉の愛情をたくさん感じてほしいから」
シオン「なっがw こっわw」
軽々しいイチャコラに見えて、この時期の紫咲シオンに起きていた深刻な不調を、沙花叉はしっかり言い当てている。孤独感と不眠症である。
不眠症はまもなくして紫咲シオンの卒業に繋がった。(今日で丸1年が経った。まだ受け入れきれていないので再生したくない。リンクだけ貼り付けておく)
では、一方の孤独感はどこから読み取れるのか。
「最後の塩シャチ!」から察するところもあるだろうが、沙花叉クロヱはこの直後に卒業してホロライブを去る。彼女が一番シオンを慕った後輩であった。
一方で、シオンと最も仲の良かった同期は湊あくあであった。彼女もまた、シオンより先に卒業してその隣を去っている。シオンはこのときまで一年近く休止していたが、あくあを見送るために配信復帰している。それほどまでに湊あくあの存在はシオンにとって大きかった。
1:32:22~
「戻ってきた理由は、それ、一番デカいかも。紫咲シオンとして ” 湊あくあ ” と作れる思い出って今しかないですからねーっと思って」
さらにその大元を辿っていくとシオンの家庭環境にも辿り着く。
明言こそしないが、愛には恵まれなかったようだ(現在は視聴不可)
【メンバー限定】病み上がりで暗くてどんよりした配信【ホロライブ/紫咲シオン】 - YouTube
さらにその孤独感は、題材としている冒頭の配信の31:13~において明確な恐怖反応をもって露見する。
31:13~
(お互いの直してほしいところは?)シオン「仲悪くなったらどうしようこれ……(沙花叉に嫌なところ)ないのになぁ」
沙花叉「あ!あるあるある!」
シオン「えぇっ!?あるの!!?!?」
絶叫にもほど近い金切り声と、しばらく後まで続く息の荒れ方、そして繰り返される「びっくりした……」という呟きが記憶に残る。そんなシオンに沙花叉はこう返す。
沙花叉「もっと沙花叉に愛されてるという自覚を持ってください!」
シオン「ゎぁ……っ、びっくりした。心臓止まるかと思った……」
沙花叉「でも人ってとか、万が一もあるし、とか。(そういう疑念は)いらないいらない」
長く休止していた紫咲シオンは、湊あくあのために復帰し、沙花叉クロヱを見送ってからホロライブを去っていった。不遇と孤独にさいなまれながらも、気丈に振舞う律儀な少女であることが読解できる。
そして沙花叉クロヱは、そんな少女に無条件の愛を恵んであげるのだ。それも意識的に、繰り返し伝えてあげるのである。紫咲シオンの闇をよく理解している!
私は塩シャチ(紫咲シオン×沙花叉クロヱ)を推しています。
むすびに代えて
一部分の読解だけでもざっと上のようなキャラクターと関係性を読むことができます。祭壇を作って拝むのも否定はしませんが、その一方で「自分が何を拝んでいるか」を忘れてはいけません。
神をはき違えるなかれ。推しと誠実に向き合うには、修道士にならなければなりません。オタクよ、神の探求者たれ、読解あれ。