京都大学艦これ同好会 会員の雑記ブログ

京都大学艦これ同好会は、艦これを通じてオタクとの交流を深める緩いコミュニティです。普段はラーメンを食べています。

#京艦同聖地巡礼部 第2回活動レポート

※本記事は脚注を使用しているため、PCでの閲覧を推奨します。

 

はじめまして、78Pです。

 

京都大学艦これ同好会(以下、京艦同)には様々な提督がいます。RTA走者とかランカー常連とかのような提督もいれば、PixivにSS書いたりイラスト描いてTwitterにあげたりする提督もいます。おそらくこのブログにも誰かが書いているでしょう。

また回生どころか大学も様々で、社会人もいます(ちなみに私も京大生ではありません)。それぐらい多様な人が所属しているサークルです。

 

さて私は何をしているかと言いますと、提督業の傍ら趣味の旅行で色んな博物館やら慰霊碑やらを見学しています。第1回は昨年のNF(京大の11月祭)と冬コミで頒布した会誌に書かせていただいたので、今回はNF以降に訪れた聖地巡礼のレポートです。

第1回を見たい人も見たくない人もみんな会誌、買ってね!京艦同って色んな提督がいるんだなあっていうのが分かると思いますよ! 

 

 

目次(特に新入生の方は、終わりにだけでも見てくれると嬉しいです。)

 

※レポートの間は常体になることをご理解ください。

※3か所とも新型コロナウイルスによる外出の自粛要請前の訪問です。

 

陸奥記念館(訪問時期:2019年12月)

 

山陽新幹線徳山駅から車で2時間ほど、周防大島の東部になぎさ公園というキャンプ場がある。その中の一角に陸奥記念館があり、館外に陸奥の艦首錨が展示されている。

 

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砲火を交えないまま原因不明の爆沈を遂げた陸奥。1970年から引き揚げ作業が行われ、乗務員の遺品や館内の備品、また各地の乗務員などから寄贈された写真などが展示されている。

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館外の高台にも展示されているものがある。定期的に手入れがされているようで、海中に30年、さらに引き揚げから40年以上経っているがかなり綺麗に残っている印象だ。

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また、慰霊碑がちょうど沈没した海域や柱島を望む位置に建てられている。なお柱島へは岩国港からのフェリーのみのため、今回は訪問していない。

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画像右奥の大きな島が柱島

なぎさ公園の敷地内にはなぎさ水族館という「(自称)日本一小さな水族館」がある。キャッチコピーの通り規模は小さいが見応えは十分にあるので、時間があればそちらも見学をおすすめしたい。陸奥記念館とのセット割引入館券も販売している。

 

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なぎさ水族館の外観。館内も撮影可能

余談だがこの資料館は艦これに触れる前から存在を知っていた。高校の日本史の先生が勧めており*1、曰く「資料館も水族館も小さいしとても行きにくいけど、家族に歴史マニアがいるなら連れて行ってもらうのをおすすめします」

前述の通りこの日は徳山駅からレンタカーを借り2時間ほどかけて向かったが、広島市内からも車で2時間半~3時間ほどかかるようである。

また付近は釣りの名所でこそあるが周りにそれ以外の観光地どころか飲食店すらない。公共交通機関で訪れるのは一応可能だが、車でアクセスするのが無難だろう。

…運転免許、早めに取りましょうね。顔写真付きの身分証として学生証以上に機能しますし*2、レンタカーもちゃんと調べたらそこまで高くはなりません。この時は12時間借りていましたが、普通乗用車+ガソリン代で5000円出したらおつりがくるくらいの値段でした。車を運転できるようになるとマイペースで行動できるようになりますし、行動範囲が一気に大きくなりますよ!…以上、上回生から新入生に向けてのアドバイスでした。

 

 

・軍艦利根資料館(訪問時期:2020年2月)

 

1945年7月24日と28日の2回にわたって、日本海軍の中枢・呉の一帯を950機もの米軍機が襲来した。既に多くの艦船は満足に動かせる燃料すらなく、浮き砲台として応戦するも多くの船が沈没した。

 

広島・江田島湾の浅瀬に利根も係留されていた。その浅瀬の近くに、慰霊碑と利根資料館がある。

一軒家を改築したのか、規模はとても小さく常駐しているスタッフもいない。とはいえ空襲の日の戦闘詳報や航海日誌が展示されていたり、当時の沈没した状況の写真と外の様子を重ね合わせられるような写真が展示されていたりと見応えは十分だ。

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ここは京艦同の合宿の際に訪れたもので、アンケート用紙には「京都から20代が19人来館」と書いておいた。回収した管理人はきっとびっくりしたに違いない。19人も入るような建物ではないし、こういう資料館に若者が大挙して押し寄せることもまずないのだ。

来館者のノートに会員の一人が利根のイラストを書き残している。提督も時折来ているようで、艦娘の利根のイラストが所々にあった。*3

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会員(私ではありません)による利根イラスト

 

広島港から江田島の中町港までフェリーが出ており、そこから徒歩15分程度で行くことができる。とはいえ港含め周辺の飲食店は少ないうえ、旧海軍兵学校からは遠いので徒歩での移動はおすすめしない。最低でも自転車、できれば車でのアクセスを勧める。

江田島と言えば旧海軍兵学校(現・海上自衛隊第一術科学校)が有名だが、ほかにも呉軍港空襲で戦没した艦の慰霊碑が島全域に点在している。時間があれば合わせて巡るといいだろう。

 

紫電改展示館(訪問時期:2020年3月)

 

本土防空で活躍したことで知られる第343海軍航空隊。松山を拠点に大戦末期にあって高い戦果を挙げ、特に紫電改の活躍が有名だ。松山市内から車で3時間ほど、愛媛県の最南端、愛南町にある紫電改展示館は日本国内で唯一紫電改が現存している場所である。*4大戦末期に撃墜され、1979年に引き上げられるまで眠っていた海を見下ろす高台に建っている。

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紫電改展示館のある高台から海を望む。手前から2つ目の岬の沖に、紫電改が沈んでいた

 

一部補修の上で展示されているが、あくまでも引き上げ当時の状態を維持したまま展示しているため痛々しい状態である。とはいえ被撃墜後に不時着水したと考えられており、機体は原形をとどめている。

引き揚げた時点で尾翼に示す所属の部分が全てなくなっており、コックピットに遺体や遺品も残っていなかったため誰の搭乗機だったのかは(永久に)不明、とのことだ。

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大戦末期でも(大戦末期だからか)、残っている写真が特に多い印象だった。*5紫電改を生産していた昭和飛行機のライセンス量産初号機の写真を見て、特にそう感じた。

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戦闘301の飛行隊員が使用していたマフラー。松山市内の飲食店員が作ったものである。刺繍されている「ニッコリ笑えば必ず墜とす」は寄贈した元隊員の一番機搭乗員の座右の銘

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343空のうち、戦闘301の飛行隊長・菅野直(左)。艦これの「紫電改(三四三空) 戦闘301」の元ネタである

展示館を含めた一帯が公園となっており、小さな動物園もある。どちらも無料で見ることができる。

 

愛媛の南端、また高知の西端にも近いため、松山市内からも高知市内からもかなり時間がかかるようだ。バスでのアクセスは一応可能だが、まず愛南町まで行くのが困難だろう。*6やはり車での訪問を勧める。


近くには艦これのサーバーの一つにもなっている宿毛湾がある。弾薬庫の遺構や特攻兵器「震洋」の基地遺構もあるとのことだが、こちらは訪れていない。*7後者は土佐清水市教育委員会が学生に資料を配布しているとのことで、地元では知られているようだ。次回行く機会があればぜひ訪れたいものである。

 

・終わりに

大学生って、ある程度の体力がありながらまとまった時間があるという何かをするにはほとんど最初にして最後のチャンスだと思います。社会人になってからはそう気軽に数日休みを取る、というのもなかなか難しいでしょうからね。

というわけで何か見たいもの、興味のあるものができたらすぐ行動に移しましょう。ああだこうだ悩むよりはまず経験すべきだと思います。

時には贅沢が言えないこともあるかと思います。でも場合によってはどこでも使える話のタネになるかもしれません。仮に失敗だったとしても、その後の糧になるはずです。ちなみに私は青春18きっぷ*8で日本一周したことがあり、時々話のタネにしています。

決して京艦同が陰キャでインドア派ばかりの集団では断じてなく、私のように色々なところを旅するのが好きな人はたくさんいます。ただしオタクの集団であるのは否定のしようがありません。

 

京艦同聖地巡礼部は私一人での活動がメインなので部員募集らしい募集はしていません。ですがこういった博物館や資料館に興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてください。そういった活動を一人でも多くの方がしてくれると嬉しいです。有名どころなら私もいくつかは行ったことがありますので、案内くらいならできるかもしれません。むしろ行ったことがないところ、あるいは知らないところはまだまだたくさんあるので*9、ご存知なら教えてくれると私もとい編集者は喜びます。

もちろんですが今の時期は自宅に籠らざるを得ないでしょう。いつになったらまた気軽に出かけられるのでしょうか…。*10

*1:私もとい編集者は広島出身

*2:ここ最近発行されたパスポートは住所の記載がないために身分証にならないこともあるようです

*3:心無い提督が艦これアーケードのカードを慰霊碑に残していった事件があったのをご存知の方もいるでしょう

*4:他の3機はアメリカで保存

*5:人物や飛行機と艦船を比べるのは防諜の観点から見ても同一に扱うことはできないとしても、海の上にあった時期が極めて短かった信濃はもちろん大鳳や瑞鶴でさえ現存している写真は少ないとされる

*6:大阪から夜行バスはある

*7:なお宿毛湾周辺にある大戦期の史料を展示した資料館はこの紫電改展示館のみのようである

*8:JR線の普通・快速に乗り放題のきっぷ

*9:利根資料館は合宿まで知りませんでした

*10:ちなみに本稿で紹介した3施設とも、現在(投稿日の4/20時点)閉館中とのことです