京都大学艦これ同好会 会員の雑記ブログ

京都大学艦これ同好会は、艦これを通じてオタクとの交流を深める緩いコミュニティです。普段はラーメンを食べています。

戦士よ、掲げたその拳でタロイモを潰すのだ。

<挨拶>

やぁ、私の名前はくんほや。ミズガルズ生まれヨトゥンヘイム育ちの原索動物だ。

「私はこの新歓リレーブログを読んでいる読者諸君に多いであろう一人暮らし初心者に、私の自炊を見せ、料理に必要な道具などを知ってもらい、自炊をよりハードルの低いものに感じて貰う為にこの記事を書いている。」というのが去年の私の記事の書き出しらしい。今年は少し、いやほんの少し、ドワーフの小指の爪程度難易度を上げた料理を作っていく。

<本編>

品目

今回作るのはカレーだ、それも大量の。カレーは良い。なんたって美味いからな。その人気は『よく大学生が大量に作ってカビを生やす食品ランキング』で1996年に殿堂入りされたことが証明している。*1
もしかしたらこの記事を読んでいる諸氏の中には「ハァ!?そんな食品を新歓ブログに乗せるんじゃねェ!このビチ●ソ野郎が!」と思われている方も多いだろう。しかし、私はその問題を解決する手段も含めてこの記事の中で提示しようと思う。

材料

材料は少ない。サラダ油、白菜、豚肉、きのこ、カレールゥの5点だ。
カレーには人参、じゃがいも、タマネギという三種の神器が存在するわけだが、人参とじゃがいもは調理の煩雑さ、玉ねぎは今年の高騰(スーパーによっては2倍程度になっている事もある様だ)を理由に今回は不採用としている。

それでは各材料の説明をしていこう。


・白菜

今回は所謂無水カレーを作る。無水調理というのは野菜に含まれる水分をそのまま調理に利用するものである。カレーで無水調理と言えば玉ねぎが定番の材料となるが、先の理由より今回は白菜を使用する。

余談だが、美味しい料理にはうま味が必須となる。うま味とは池田菊苗博士が湯豆腐に使われる昆布だしから発見した味覚であり、その元となる化学物質はグルタミン酸イノシン酸が有名だ。グルタミン酸は野菜、イノシン酸は動物に多いうま味成分で、野菜の中でも特にうま味が多いとされているものには玉ねぎと白菜が挙げられる。白菜と玉ねぎはともに加熱によって甘味を増し、水分が多く、うま味の多い野菜という事で今回玉ねぎの代用として使用するに至った。(余談終了)

今回は1玉(250円)使用する。

 

・豚肉

何の肉のどの部位を買うのか、といった話題がSNSで取り上げられるのは1人暮らしを始めた大学生の定番だろう。そして、そこで重要になる価値観に安さと美味しさがある。安さに特化したものであれば鶏むね肉、美味しさに特化したものであれば牛バラ肉などが挙げられるが、今回使用するのはその中庸をいき、且つそのどちらのステータスもそこそこ高いものとなる。冷凍豚バラブロックである。通常150~250円/100gである豚バラ(スライス)肉であるが、業務スーパーなどで販売されている冷凍ブロック肉であれば、豚小間レベルである100円/100gで購入することが可能だ。

今回は500g(550円)使用する。

 

・カレールゥ

こんな事そんなに語る事あるのか?という話かもしれないが、これもまぁいい話があるんですぜ旦那ヘヘヘ。今回使用するルゥは業務用フレークだ。こちらも先程述べた業務スーパーで購入したもので、50皿分(1kg)1300円となる。値段は通常のものと変わらない程度だが、一番の特徴はフレーク状になっていることだ。カレーを作る時のあるあるとしてルゥが大きい為、作る量の調整が難しいというものがある。それがフレーク状では量が調整できる為、味や量の調整が簡単になるというわけだ。表面積が大きく、素早く溶けるというのも利点と言えるだろう。

 

・きのこ(しめじ)

白菜はベースと共に具材となるわけだが、野菜がそれだけというのも味気ないので、先程説明したうま味の一種であるグアニル酸を含むきのこを具材に加えることとした。

余談の続きとなるが、グアニル酸イノシン酸と合わせることで更においしくなるという効果も存在する。*2

今回は150円のパックを2つ使う事とする。

豚バラ肉,カレールゥ,しめじのサイズ参考。

 

調理

というわけで調理を始める。まずはカレーを作る鍋だ。白菜を千切りにして入れるので、そこそこ大きな鍋が必要になるわけだが……

バカ

なんてこった!明らかにサイズが足りていないじゃないか!いや……野菜はその実がつまっていないものに限っては加熱することで圧縮され、水分が蒸発して鍋に収まるなんてことも…………

だがこの鍋ではそれでも容量が足りないだろう。他の具材もあるのだ。あ~あ、もっと大きい鍋があればなァ~……そんな君に!

ここまで茶番にお付き合いいただき誠にありがとうございます。

寸胴!!!!そう、私の大好きな寸胴だ。去年の新歓記事でも紹介をしたので今年はその記事を紹介して済ませたいと思う。

千切りにした白菜を鍋に詰めると以下の画像の様になる。

予想通りギチギチだ。

一応焦がさない様にサラダ油をなべ底に敷き、塩を小さじ1杯入れ、白菜から水分が出ていくようにする。どうせ蒸発するのだから、無水調理とはいえ多少水を加えて蒸す様にしてもいいだろう。

白菜を蒸している間に、別の具材を切っていこう。わからない人は少ないと思うが、きのこは石づきと呼ばれる根本の部分を切り落とし、手でほぐして料理に使う。豚バラは冷凍なので調理を始める前に冷凍庫から出して解凍しておこう。半解凍くらいが一番扱いやすい。

切った豚肉ときのこはそのまま寸胴に入れてもいいが、一度別のフライパンで焼き付けるように炒めてから加えると香りと苦味がカレーに加わり、更に美味しくなる。メイラード反応万歳。*3

最初は寸胴のフチまであった白菜も過熱と浸透圧によって水が出て寸胴の半分程度のかさになっている。

具材を合わせたらルゥを加え、味を調整する。今回私は適当にレンゲで山盛り3杯程度加えるところから始めた。ルゥを加えることで更に浸透圧差が生まれ、水分が野菜から出ることがある為、先にルゥを加えるべきという考えだ。ある程度見た目がまとまってくるまで煮込み、ベースとなる液体部分と具材の比率が好みの分量になるまで水を加え、食感を調整する。そして味見をしながらルゥを少しずつ加えて味の調整を行い、ヴァルハラへと至る。

しかし、ここでもヴァルハラへと向かうことが出来ない戦士がいるだろう。香りや辛みが足りない、という者達だ。その様な者達はそのうち自分でスパイスカレーのつくり方や色々と調べ始めるだろうから、詳細を書くという事はしないが、今回は簡単にスパイス2点を紹介したいと思う。

・クミン

所謂カレーの香りがするスパイスだ。カレーの香りの根幹をなすもので、ルゥで作るカレーに加えることで諸君らのキッチンにマハラジャの風を吹かすことが出来る。

 

・カイエンペッパー(トウガラシ)

熟したトウガラシを乾燥させて料理に使うものの総称だ。レッドペッパー、チリペッパーなどとも呼ばれる。普通の一味唐辛子でもいいのだが、この様な名称で販売されているものはきめ細かいパウダー状にされているものが多く、その方が料理に使うには向いている為、ここで取り上げた。

 

そうして諸君らの魂は安らかに……



とでも思っていたのだろうか。何という失態!米を炊き忘れていた。今から米を炊いても30~60分かかる……そう!そんな時には……!

京艦同

京艦同の皆と遊ぼう!会員は大体TwitterやDiscordにいる。雑に絡みに行ってみたり、ゲームを誘ってみたりできる。京艦同はミズガルズにある。

完成、そして……

ヴァルハラへと至る。

ヴァルハラ

特に変な事をしたわけでもないので味は申し分ない。かかった費用は米を1食1合60円とした時、1食191円(1日573円)となる。

保存

そして大学生が一番失敗するのがここ。保存だ。こうしたカレー大量調理の場合は大抵コンロで放置してカビがを生やす・腐らせるという結果になる。これもしっかり対策することで安全に保存して食べきることが出来る。

まずは鍋を水で冷やすことからだ。冷蔵庫の底が溶けてしまったり、中板のガラスが割れてしまう恐れがある為、加熱された鍋をそのまま冷蔵庫に入れるのは危険だ。また、ふきんなどを敷いて冷蔵庫に入れるという手段も取るべきではない。高校理科を思い出してほしいのだが、気体は熱を伝導で伝え辛く、鍋の熱をとるのに時間がかかり、その間に菌が繁殖してしまうという事だ。その為、たらいや流しに水をため、出来れば流水で鍋を冷やすという手段が推奨される。

水冷式カレー保存の妖精

カレーを器に配膳した後すぐに冷やし始め、食べ終わる頃に冷蔵庫に移せば良いだろう。