はじめまして。東京大学きらら同好会のふぁぼん(@syobon_hinata)と申します。
……名乗る肩書きを間違えました。京都大学艦これ同好会のふぁぼんと申します。ソ連艦が好きで、嫁艦はВерныйとТашкентとГангутです。
普段、京艦同ではTwitterをしています。あと、たまにカスの文章を書きます。
さて、新歓ブログで書くことがあまり思いつかなかったので、今回は「きらら」について語ってみようと思います。
17日目の記事で黒鈴さんが漫画のオススメを列挙してくれましたが、冒頭に「オタクですがきららはあまり読んだことはありません」と書かれている通り、「きらら」という豊穣な大地の恵みが完全に除外されてしまっています。
むろん、人間とはおよそ不完全なもの。私とて漫画はきらら以外全然読まない人間ですから、他人を批判できるような立場ではありません。批判ではなく、個性ある各人がお互いを補完できるとハッピーだという話です。
そう、個性ですよ。
個性ある多様な人々が全国から——北は北海道から南は九州まで——集まり、「艦これ」やそれ以外のものを通してゆるくつながる。そんな楽しい楽しい変人のサラダボウル京艦同を、どうかよろしくお願いします。
新歓らしく所属団体の宣伝を済ませたところで、本題に入りましょうか。
「きらら」とは何か
「きらら」とは、芳文社の発行する漫画雑誌「まんがタイムきらら」とその姉妹誌、そしてそこに載っている作品のことです。
有名な作品でいうと、「けいおん!」「ゆるキャン△」「ご注文はうさぎですか?」「きんいろモザイク」あたりが挙げられます。
ここで強調しておきたいのは、「きらら」は掲載誌による分類であって、作風による分類ではない、ということです。言い換えると、「『きらら』らしさ」というのは、過去の作品によって形作られ、同時に新しい作品によって刻一刻と更新されていく、極めて動的なものだということです。
たとえば、みなさんは「きらら」といえば「日常系」という印象を持っているかもしれません。そして、その印象は必ずしも間違っていません。女の子たちがわちゃわちゃと日常を過ごす作品は確かに、きららの一大勢力です。
しかし、それだけではない。そもそも「女の子がわちゃわちゃする作品」にもストーリーはあることが多いですし、もちろん「日常系」と言いにくい作品もたくさんあります。主要キャラとして若い男性が登場する作品や、女女/男女の恋愛を描いた作品だって普通にあります。
ちなみに、ほとんどが4コマ漫画の雑誌ですが、「まんがタイムきららフォワード」だけは4コマではありません。
わくわくするストーリー? 精緻に張り巡らされた伏線? 深みのある人間ドラマ? シンプルに女の子がかわいい漫画? 良質なギャグ?
ええ、ありますよ。今からみなさんに、本物の「きらら」をお見せしましょう。
個人的オススメ作品
とりあえず、10作品ほど挙げていきます。
10巻超えの作品もありますが、数巻で初心者に優しい作品もあるので安心してください。
ぼっち・ざ・ろっく!
掲載誌: まんがタイムきららMAX
既刊: 3巻(連載中)
陰キャなら「ぼざろ」を読め!
別に陰キャじゃなくても読め。
自他ともに認める「陰キャ」の主人公(顔面崩壊芸人)がロックバンドをやる話です。
主人公はギターが上手く、割と有名なギター演奏動画投稿者なのですが、しかしコミュ障すぎてバンドでは呼吸が合わず微妙な演奏になっているという設定です。
きららの主人公って別に明るいキャラだけの特権じゃないんですよ。特に最近は、内向的だったり気弱だったりする主人公が増えている気がします。[要出典]
ギャグも面白いし、本筋のストーリーもしっかりしているし、主人公やメインの登場人物たちもきっちり成長してくれるから気持ちいいし、私の一押し作品です。
しかも、まだ3巻です。今からでも余裕で追いつけます。きらら入門にはぴったりだと思います。
アニメも今年やるらしいです。もうPVのBGMがカッコよすぎて完全にロック。OP曲も期待できそうです。
恋する小惑星
掲載誌: まんがタイムきららキャラット
既刊: 4巻(連載中)
幼い頃、小惑星を見つける約束をした男の子が、実は女の子だったし高校で運命の再会を果たしちゃった! という百合です。
いきなり冒頭から「小惑星」というワードが飛び出してくるので、キワモノに見えてしまうかもしれません。実際には別にそんなこともなく、しっかりした百合で、また部活ものでもあります。
天文、地質、気象、その他の科学要素も適当ではなくしっかりしており、なるほど天文や地球惑星科学や地理を学ぶ学生がハマるのも頷けます。
宇宙に近づけるよう、日々をつみ重ねて。
アニメ化もされているので、そちらから入ってもいいでしょう。まだ4巻なので、こちらも入門にはちょうどいいと思います。
がっこうぐらし!
掲載誌: まんがタイムきららフォワード
既刊: 12巻+後日談1巻(完結)
学校に籠城する「学園生活部」の4人が繰り広げる、ゾンビアポカリプス日常ものです。
「ゾンビアポカリプスと日常なんて、正反対じゃないか!」と言われそうですが、たとえ世界が崩壊しても、人が生きている限り、「日常」はあります。
タイトルの通り、「学校」での「暮らし」。女の子達の非日常な冒険(も多少入りますが、それ)よりも、過ぎ去ってゆく日常。精一杯生きていく営み。その中で起きる、心を震わす様々なことを描けたらな、と、思っています。
— ネタバレアカkai (@kai_for_netabar) 2014年9月9日
パンデミックの話でもありますし、2022年の今この作品を読むというのも、なかなか乙なものではないでしょうか。
アニメ化もされていますが、そこそこ再構成されているので、せっかくならアニメと原作の両方を摂取するといいと思います。
世界はどうなっているのか、「あの日」に何が起こったのか。
アニメはそこまで到達していないので、私もいい加減に原作を読もうと思います。
どうして私が美術科に!?
掲載誌: まんがタイムきららMAX
既刊: 3巻(完結)
願書の提出ミスにより、間違って美術科に入学してしまった酒井桃音。当然のごとく居残り三昧な毎日ですが、仲間がいればそれでも楽しい!力を合わせて目指せ進級&卒業!きららの次世代を代表する、女の子の尊さがいっぱい詰まった初コミックスです。
実はまだ読んでないんですけど
3巻での連載終了が告知されたとき、Twitterのオタクがめちゃくちゃ動揺したり編集部の乱心を疑う声が大量に上がったりしたのを覚えています。「雑誌では大人気、ただ単行本の売り上げは芳しくなかった」ということなのかもしれませんが、それにしたって……
周囲の人々が本当に熱烈に推していて3巻乙を「最後の方が駆け足すぎる」と嘆いたりきららMAX編集部への不信感を口にしたりしているし、3巻でちょうどいいので、オススメに入れておきます。
私みたいに積読してるカスにならないようにしましょう。
ちなみに、作者の相崎うたう先生は現在「瑠東さんには敵いません!」という作品を連載中です。
紡ぐ乙女と大正の月
掲載誌: まんがタイムきららキャラット
既刊: 2巻(連載中)
まだ途中までしか読めてなくて本当にごめんなさい……
ある日地震で気を失ってしまい、目覚めた時には大正十年の銀座で倒れていた女子高生・紡。 行くあてもなく大ピンチなところを公爵令嬢・唯月に助けられ、彼女とともに女学校生活を送ることに。 遠く離れた時代に流れ着いた少女の未来はどうなってしまうのか…? きららキャラットで大人気連載中の大正タイムスリップストーリー、待望の第1巻です!
きゃべつそふとのエロゲ「さくらの雲*スカアレットの恋」もそうですが、大正浪漫ブーム、来てます。
大正時代の横軽を機関車で旅行、この言葉でトキメキを感じないオタクはいないでしょう。
タイムスリップもの、しかも階級意識がガチガチの華族社会が舞台ですから、どうしても切ない離別エンドを想像してしまいます。はてさて、どうなることやら。
打ち切り回避を祈りつつ、今後の展開を楽しみに待つことにします。
NEW GAME!
掲載誌: まんがタイムきららキャラット
既刊: 13巻(完結)
高校を卒業して、社会人の仲間入りをした涼風青葉。就職先は、幼い頃大好きだったゲームを作った先輩がいる会社「イーグルジャンプ」。働くおんなのこたちのどきわくハイビジュアル4コマ。
イラストレータ・アートディレクターからプログラマ、さらにディレクターやプロデューサーまで、ゲーム業界のいろんな職業・役割の人が出てきて、それぞれの奮闘や成長が描かれます。
個人的には、私がプログラマということもあり、桜ねね・鳴海ツバメ・阿波根うみこのプログラマ3人に思い入れがありますね。みんなカッコイイ……
なるっちの 担当箇所が バグだらけ!?
2期までアニメ化されています。
ご注文はうさぎですか?
掲載誌: まんがタイムきららMAX
既刊: 10巻(連載中)
言わずと知れた超有名作品。ニコニコ動画で見れるアニメ1羽が無限に再生されコメントがニュース速報と化していたり、弾幕がめちゃくちゃあったり、ニコニコ動画を語る上で外せない作品でもあります。
私はまだアニメしか見ていないですが、原作も読んだ方がいいです。たぶん。
ゆゆ式
掲載誌: まんがタイムきらら
既刊: 12巻(連載中)
「日常系」というジャンルの作品には通常、さまざまなイベントが登場します。学校行事、季節の行事、友達との約束、エトセトラ。
しかし、この作品には、それらのイベントは一切登場しません。「○○楽しかったね〜」という台詞はありますが。
そんな、型破りな「ノーイベント・グッドライフ」。それがゆゆ式という異端作品の特徴です。
ただ3人がおしゃべりするだけ。それだけなのに、普通にめちゃくちゃ面白くてびっくりしてしまいます。作者が天才。
まちカドまぞく
掲載誌: まんがタイムきららキャラット
既刊: 6巻(連載中)
宇宙一おもろい漫画。
これは誇張ではないです。あと文字がめっっちゃ多い。普通の漫画の感覚だと「1時間も読んだのに全然進んでない……!」ってなると思います。
15歳のある朝、封印されし魔族の力に覚醒した吉田優子の任務は、ご町内に住む「魔法少女」を倒すこと!? ツノと尻尾は生えたけど、力はフツーの女の子以下な優子が「月4万円生活の呪い」解除めざして奮闘する、逆転マジカルヒロイン4コマ!
公式の説明がこんなだし、実際2巻くらいまでは「シリアス設定から繰り出されるギャグっぽい日常系百合漫画」に見えるのですが、3巻のあたりから物語が急加速し始めます。どちらかというと物語重視の私も思わず一気読みしてしまい、気付いたら朝でした。
もちろん、日常のシーンも変わらず面白いので、そちらが好みの人も安心してください。
いわゆる「日常系」とは異なりますが、日常というテーマと真剣に向き合った作品であることは間違いありません。
頑張れシャミ子! 街の日常を守れる立派なまぞくになるんだ!
この作品は文句なしに面白いんですが、1作目からこんなすごい漫画を読んでしまうと、あまりにその後のハードルが高くなってしまうかもしれません。
このレベルで話が面白い4コマきらら作品、そう多くないんですよね。
とりあえず6巻まで読んでください。6巻の最後で「ウワッ!?」と叫んでもらえれば、私は満足です。
ちなみに、アニメもあります。今ちょうど2期やってます。OP曲もED曲もすごいです。
ステラのまほう
掲載誌: まんがタイムきららMAX
既刊: 10巻(完結)
同人ゲームを作る部活動の話です。
こっちもストーリーがいいのですが、特にキャラの内面や人間関係の描写がいいです。
たとえば、半分以上の登場人物が内面に何かしらを抱えています。自己肯定感が低い部長兼プログラマ、一見明るくストイックだがたまに何かありそうな態度を見せる作曲家、途中で入部する自己肯定感の化け物な生主・声優、闇が深い「なんでもできる」OG。
特にOGの百武照は暗黒大魔王みたいなやつです(ちょっと盛ったかも)。
5巻あたりから「作者、これどうやって百武照の物語を決着させるつもりなんだろう……」ってモヤモヤしつつ10巻まで読んでしまうのがいいでしょう。
まあ、人によってはかなり「劇薬」かもしれません。少なくとも、めちゃくちゃ文字が多いし、かなりシリアスだし、「サクサク読める」とは対極の作品ではあります。
こんなナチュラルに自殺の話が出てくるきらら作品、そんなにない。
おわりに
この記事を書くにあたり、自分のオタクとしての雑魚さを痛感しました。これからは心を入れ替え、きらら道を邁進する所存です。
京艦同は、艦これときらら作品を愛するオタクを募集しています。
ぜひ、TwitterやDiscord、あるいはサークルの対面の行事などで、みなさんの好きな作品も教えてください。