京都大学艦これ同好会 会員の雑記ブログ

京都大学艦これ同好会は、艦これを通じてオタクとの交流を深める緩いコミュニティです。普段はラーメンを食べています。

長距離移動するときは絶対にフェリーを利用しろ

 こんにちは、かくなんです。みなさん、最も優れた移動手段は何だと思いますか?

 鉄道? 車? 飛行機? 徒歩?

 

 そう、フェリーですね。

 

 

 この記事では、時間はあるけど金はない大学生こそ利用すべき長距離フェリーという存在について皆さんに紹介しようと思います。

 

 

フェリーの魅力

 そもそもフェリーとは、乗客、自動車、貨物等を同時に輸送する船舶を指します。*1離島を繋ぐ短距離のものから、数日間に渡って航海を行う長距離なものまで様々ですが、今回取り上げるのは数百km以上の距離を結ぶ長距離フェリーです。

 あまり注目されることのない交通手段ですが、実は以下のように極めて優れた魅力があります。

 

メリット①:寝ている間に移動ができる

 基本的に長距離フェリーは夜間に航行します。例えば大阪南港と門司港を結ぶ名門大洋フェリーは、大阪を19:30に出発し、翌日8:30門司港へ着きます*2。確かに移動時間自体は13時間という長丁場ではありますが、その間は広々とした船内でゆっくりと体を休めることができます。

 そして翌日、体力を回復した状態で行動できるのです。これは同じく夜間に移動する夜行バスと比較して圧倒的にアドがあります。夜行バスの硬い椅子で眠れず、翌日ヘトヘトに……という経験は多くの人が味わったことがあるのではないでしょうか。移動で体力の回復が可能な交通手段は、他と比較しても間違いなくフェリーしか存在しません。

 

メリット②:車やバイク、自転車が運べる

 地方での交通手段に困ったことはありませんか? 数分おきに電車やバスが来るのは都会の特権、少し地方へ行くだけで電車は無いしバスは一日一本なんてこともざらです。

 そんなとき活躍するものがやはり「自動車」でしょう。免許を取って友達と一緒にレンタカーを借りてワイワイ旅をする、まさに大学生ならではの楽しみです。現地でレンタカーを調達するのも良いですが、どうせなら家から乗って家まで帰ってくるのが楽で良い。高速道路をひたすら走り続けるのも良いですが、フェリーを利用するのが最も安上がりで、なにより楽だと言えるでしょう。

 そしてバイク乗りの皆さん、これ以上の説明は不要ですね。高速道路を夜通し走り続けるなんていうバカ、無謀、自殺行為はやめて優雅な船の旅を楽しみましょう。

 自転車好きの皆さん、フェリーは自転車も運べます。中々行けない地方へフェリーで移動して、景色の良い道を颯爽と走ってみませんか。

 車やバイク、自転車を利用する際、フェリーによってはキャンペーン等を利用することでかなり安価で移動することが可能な場合があります。一度調べてみると良いかもしれません。

 

メリット③:新幹線に比較して安価

 フェリーは一見高級そうなイメージがありますが、実は極めて安価です。

 例えば名門大洋フェリーの場合、大阪ー門司港間が定価で7,220円となっています(エコノミー、通常期の場合)。ここから各種割引を利用することでさらに安く移動することが可能です。

 新大阪ー小倉間の新幹線代が13,870円(のぞみ自由席)ということを考えるとかなりリーズナブルになっています。

 

メリット④:優雅な船旅を堪能できる

 なによりのメリットが、海上で優雅に過ごすことができることでしょう。どのフェリーにもレストラン大浴場が併設されており、お酒を飲みながらゆったりと過ごすことができます。

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名門大洋フェリーでのディナー

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海を見ながら美味しいパンケーキに舌鼓

 

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昼間から飲む酒ほど旨いもんはねえよ

 

もちろんいいことばかりではなく、デメリットもあります。

 

デメリット①:揺れる場合がある

 瀬戸内海を航海する時はよほどのことがない限り揺れることはないのですが、太平洋等の外洋を航海する場合は割と揺れます。三半規管が弱い方は注意する必要があるかもしれません。

 波による揺れが無くとも、船内の部屋によってはエンジンの振動がそれなりに伝わってくる場合があります(雑魚寝部屋なんかだと顕著です)。寝付きが悪い方は少しお金を出して良い部屋を取ったほうが良いかもしれません。

 

デメリット②:航海中暇すぎる

 海に基地局はありませんので、外洋航海の場合だとネット環境が遮断されます。船内Wi-Fiはあったとしても役立たずなので、事前にオフラインでも暇をつぶせるような準備が必要です。(瀬戸内海航路の場合、圏外になることはさほどありませんが、場所によっては電波が怪しいところもあります。)まあ私みたいに一人で乗ったりせずに、しっかり友達を誘って行けばいいだけなので問題ありません。

 

デメリット③:港までの交通手段が怪しい

 基本的に港から市街地までは距離があるので、自家用車等がない場合は事前の下調べが必要です。多くの場合シャトルバス等がありますので、調べておきさえすればさほど心配する必要はないでしょう。

 

 以上のデメリットを理解しておく必要はありますが、それを上回るメリットがあることはお分かりいただけたでしょうか?

 

 次の項目では、実際にどのようなフェリーがあるのかについて紹介していきます。

(筆者はおでかけオタクの端くれではありますがフェリーオタクではないので色々適当です。明らかな間違いがあったら教えてください。)

各フェリーの紹介

関西~九州

名門大洋フェリー

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 大阪南港と門司港を繋ぐフェリーです。筆者が個人的に最も利用するフェリーでもあります(実家が福岡なので)。

 船自体が比較的古く、設備はあまり良くないですが、とにかく割引制度が充実しており安く移動できます。最近新造船が就航したのでそちらに乗ればキレイな船に安く乗ることができて文句なしです。私はまだ乗れてませんが……。

 特筆すべき割引制度として、「らくらくフェリー」や「ツーリストマイカー割引60」があります。詳しくは公式サイトを参照してほしいのですが、前者は4人+乗用車1台、ファースト一室利用で22,000円! なんと一人当たり5,500円という破格の値段になっています。

 4人で福岡に行く機会のある人は是非利用してみることをオススメします。

 注意点として、少なくとも旧型の船のツーリスト部屋は、空調があまり良くない上、船の中央部にある関係で携帯の電波が一切届きません。ここは新造船に期待するしか無いですね……。

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ファースト(4人部屋)

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ツーリスト

 

www.cityline.co.jp

阪九フェリー

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これしか写真がなかった……(あるだけマシ)

 門司港泉大津(大阪)/神戸を繋ぐフェリーです。最後に乗ったのが2017年の夏なのですが、当時から船が全て一新されめちゃくちゃ設備が良くなったらしいです。

 料金は名門大洋フェリーとさほど変わりなく、グループ企業の旅行会社のプランを利用すればリーズナブルに乗船できます。大阪からだと泉大津まで行く必要があるので少々不便ですが、神戸や大阪南部にお住まいの方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。www.han9f.co.jp

フェリーさんふらわあ

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 大阪南港~別府、大阪南港~志布志、神戸~大分を結ぶフェリーです。私は乗ったことがありませんが、情報によると

・雑魚寝部屋

別府、大分航路は窓があって電波良好、志布志航路は絶望的

・スタンダード(個室)

少なくとも別府航路に関しては窓なし、電波は絶望的

とのことでした。電波情報以外は公式サイトを見ればわかるでしょう

 運賃は比較的割高ですが、複数の航路を利用して九州を効率よく観光するプランもあったりするので、旅程次第では有力な候補になりそうです。

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部屋案内

www.ferry-sunflower.co.jp

宮崎カーフェリー

 宮崎と神戸を結ぶフェリーです。運賃は割高ですが、多くの旅行商品が用意されており活用次第ではリーズナブルに乗船できそうです。

 設備はあまり良くないですが、宮崎へ向かう際には検討の余地ありです。

www.miyazakicarferry.com

関西~その他の地域

新日本海フェリー

 日本海側の諸都市を繋ぐフェリーです。舞鶴敦賀、新潟、秋田、小樽、苫小牧をそれぞれ結んでいます。複雑なので詳しくは公式サイトを参照ください。

 関西から北海道へ向かう際、ほとんど最安の運賃で行けると言われています(最近はLCCの台頭でそうとも言えなくなっているようですが)。

 関西~北海道までの乗船時間が24時間近くなりますが、船内には映画館カラオケジムなんかがあったりと娯楽には困らなそうです。

www.snf.jp

オレンジフェリー

 

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 大阪南港と東予(愛媛)を結ぶフェリーですが、なんとこの船、です。

 一番安い部屋でさえ個室で、そのくせ料金も定価から格安。設備も新しく、本当に文句なしのフェリーと言えます。

 東予港から松山などの都市まで距離があるという難点はありますが、四国へ遊びに行くならかなり有力な候補となります。

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一番安い部屋でこれ

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船内も非常に立派

www.orange-ferry.co.jp

その他の地域~その他の地域

太平洋フェリー

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 苫小牧、仙台、名古屋を結ぶ、日本最長航路を誇るフェリーです。最長なだけあって船内は非常に豪華で、ストリートピアノっぽいものやラウンジショーがあったりします。

 割引制度も十分にあり、活用すればリーズナブルに乗船が可能です。

 とにかく航行時間が長いことから(40時間!)、暇つぶしの確保は必須です。苫小牧~名古屋間の乗船であっても、仙台で一時下船することができます。あまり時間がないので近くのショッピングモールで昼飯を食べるくらいしかできませんが、制県レベルを上げることはできます。

 最長航路ということで、乗ること自体が話のネタになりますしオススメです。

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船内の様子



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夕食

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雑魚寝部屋はいたって平凡、電波はそもそも外洋なので期待できません

www.taiheiyo-ferry.co.jp

商船三井フェリー

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右奥。もっとマシな写真なかったんか?

 大洗と苫小牧を結ぶ、ガルパンで登場したあのフェリーです。3年目もガルパン記事継続*3

 九州と関西を結んでいたフェリーさんふらわあとは別会社による運航です。

 割引が不十分という難点はありますが、船内大浴場にサウナがついていたりと設備は中々充実しています。

 関東から北海道へ向かう唯一のフェリーであると同時に、ガルパンおじさんにとっては乗ることだけでもとてつもない価値があるでしょう。

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親の顔よりみたやつ

www.sunflower.co.jp


オーシャン東九フェリー

 東京、徳島、門司港を結ぶフェリーです。東京から九州まで乗るとなると35時間程の長丁場になります。

 船内は至ってシンプルとの噂、関東から四国、四国から九州へ車を持っていきたい際には候補となります。

www.otf.jp

東京九州フェリー

 なんと2019年に始まったばかりの新航路であり、横須賀と門司港を24時間で結ぶ新進気鋭のフェリーです。既存の交通との差別化のため船内での「体験」を重視しており、クルーズ船感覚で楽しむことができます。価格もリーズナブルで、東京九州間をフェリーで移動する際は東京九州フェリー一択でしょう。

tqf.co.jp

 

 以上、国内には様々な長距離フェリーが就航しています。九州~関西の便は価格、利便性においても他の交通手段を圧倒しているほか、その他の地域でも特色あるフェリーが航海中です。

まとめ

 いかがだったでしょうか? もうフェリーのことしか考えられませんね。今すぐに公式サイトにアクセスして今週末の便を確保しましょう。あとはボタンを押すだけです。

 さあ、あなたも広い海へと漕ぎ出してみませんか?

 

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 記事作成にあたって、5mmさん、みかんTさん、takaakiさんから情報及び写真を提供していただきました。ご協力いただき大変ありがとうございました。